贈与についてのメモ

贈与の文化史―16世紀フランスにおける
昨日の有楽町でひさびさに本を買った。

読み返す前に、いまのところの僕の理解をメモ。

交換

所有者Aと所有者Bの双方が、物品A'=物品B'として合意し、物品を交換する関係。貨幣はこの延長。

贈与

所持者Aは所有物A'を、Bに贈る。
A'を持ったBは、一定以上の間をおいたあとでそれ以上の価値を持つB'を贈り返し、返礼とする。

B'を贈りかえせなかった場合、Bは返礼の債務の念、あるいは精霊に駆られ、下手をすれば死に至る。

また、どのような事情があれ、B'を贈り返さなくてもよい、と考え、BがAに対して返礼を行わない場合、社会通念として、BはAよりも下位であるとみなされ、権力を失う。

純粋贈与

神Aは自分のもつ物品A'を、人間Bに贈る。BはAより上位に立とうとし、Aへの贈与を行いたいと思うが、方法が無い。
この一方通行の関係性を、相互関係である贈与のレベルにまで落としこめる知識と技量を持つため、僧侶は社会的に優遇される。

また、人間がこのレベルの贈与を行うことは不謹慎であるという観念もある。*1

*1:あしながおじさんっていうお話もあるけど