三月十日東京大空襲

終戦記念日です。
先日里帰りしたときに頂いた、祖母の短歌を記します。

題:三月十日東京大空襲
初出:歌縁 平成十二年六月号


省線の東京駅の八重洲口出でて通ひきタイピスト学校に
市ヶ谷の大本営に働けるタイピストなりわが青春は
省内の男女同行禁じられ離れて歩けと憲兵言ひき
空襲の激しくなりしある夜見つ木の葉の如く落つるわが戦闘機


我が打ちし表彰状は七日間消毒されて大前にゆきし


一夜にて東京は燒野と化したりきただ呆然と友とありたり
広き野と化したる町のそこここに屍黒く散りばふを見つ
夕暮に屍を燒ける火と匂ひ忘るることなし三月十日


終戰に大臣より千円頂きぬ嬉しくも悲し国破れたり
ほご紙をもやして火鉢で飯炊きぬ友と二人の寮生活は

ちなみに、祖母のスペックはこちら